2021/04/05
オガサワラカワラヒワは母島に
新作オガサワラカワラヒワ(オスの成鳥)です。マニアックでしょう〜カワラヒワではなく、いちおうオガサワラカワラヒワです。


ご存知ない方もいるかと思いますが、カワラヒワの一亜種だとされていたこのオガサワラカワラヒワ(通称オガヒワ)が、DNA調査などの研究結果から実は独立種であるらしいことがわかりました。すごいことです、生まれも育ちも東京の人間として、オリンピック開催よりよっぽどすごいニュースだと個人的に興奮です。なんせメグロに続いて、世界でも東京にしかいない固有種だと自慢できるのです。でもオガヒワの個体数はすでに400個体以下だと考えられています。独立種として再認識されるというのもすごいことですが、そうなればいよいよ日本でももっとも危機的状況にいる絶滅危惧種のひとつということにもなります。そんな鳥が東京都にはいるのだと誇らしいとともに、あっというまにいなくなってしまうおそろしさも半端ないです。

すでに小笠原内外の多くの方々がこの種の保全のために動き出しています。今年はじめにシンポジウムを拝聴して、今時の自然保護活動の形や可能性にも個人的にも感銘を受けました。少なくとも東京の人間として、また学生時代に小笠原の自然から大きな感動をもらった者として、しっかりこの状況を把握し、できる限り応援していきたいと思います。

というわけで、この気持ちのぶつけどころとして、自発的にオガヒワを制作するに至りました。制作にあたってはオガヒワの会や研究者の方や友人にもご協力いただきました。ありがとうございます。
オガヒワの特徴である体は小さめ、嘴は大きめ、灰色味は抑えめ、という特徴に注意して制作しました。カワラヒワを作ったことはあったのですが、そのグラデーションの絶妙さや、フェルトが苦手なヒワ系の嘴の形など毎度なかなか納得いくものが作れないので、今回も自分で作るといったものの完成まではかなり緊張しました。でもカワラヒワをこれまで以上に一生懸命観察したり調べたりするよい機会になり、自分にとってもいい勉強になりました。
当のこの子は保全活動の拠点となるオガヒワの会にお送りしたので、すでに母島に旅立っております。自分が作ったものが海を渡ってあの母島にあるというのはとても不思議な感覚です。願わくば、今後オガヒワやその現状を知ってもらうための普及啓発などにお役に立ってくれればいいなと思います。

最後に、オガヒワの会のHPをご紹介しておきます。関係者のみなさんがんばっていらっしゃいます。オガヒワは決して派手な鳥ではありませんので、この危機的状況に世間の注目を集めるのは大変なことだと思います。そして私のように生息地から遠く離れた場所にいる者が力になれることは多くないですが、最初の一歩はまず知ることからということで、ぜひみなさんもまずは一度HPをのぞいてみてください。
「オガヒワの会」
>>https://ogahiwanokai.jimdofree.com
