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クリスマスプレゼント

少し前のことですが、スペシャルな散策をしました。

陽気もよく、ほどよく冷えて、気持ちの良い朝でした。SNSなどではアトリを見ている人が多かったので、私もちゃんとアトリを見に行こうというのが一番の目的でした。もう紅葉もほぼ終わっていて、冷え込んでいるので散歩する人も少なくて、私の好きな朝でした。

期待もせずのんびり冬鳥を楽しもうと思っていたのですが、アトリもたくさん見られましたし、これまで探してもみつからなかったキクイタダキやベニマシコ、常連の冬鳥のツグミやシメたちも出てきて、なかなかもりだくさんの1日で、その時点で大満足でした。

次の予定もあったのでそろそろ帰ろうと思いはじめた時に。エナガたちがいつもの警戒の声をあげたので、振り向いたら、少し先の枝にオオタカが止まりました。飛んでいる姿はよく見かけますが、止まっているオオタカを近くで見るのは久しぶりだったので、一気に大興奮です。

双眼鏡で覗いたり、写真を撮ってみたりしてたら、なんと、こっちに向かってスーっと飛んできたのです。心臓がバクバクして声は出せませんが「えーーーー!」となりまして、背の高さぐらいでしかもその距離 7〜8mの木の枝にスッと止まったのです!!!驚かせてはいけないので体はそのまま動かさず、内心バタバタして、写真と双眼鏡を握りしめ、撮ったり覗いたりを繰り返していました。

なんでこんなところに降りてきたんだろうとおもいましたが、その時に、その横にちょっとした大きな水たまりがあることを思い出し、「あっ、これはもしかして浴びちゃう!?」と思いましたが、カラスが気になるのか上をキョロキョロ見上げたりして、なかなか動きません。

いよいよこちらもじれてきたら、案の定、横の水たまりに降りました。こちらも少し見える縁に移動して、それからも長い間水を飲んでみたり、上を見上げたり、キョロキョロしているのですが、なかなか水浴びは始まりません。こちらは興奮しているし、動けなくて疲れるし、で普通じゃない状態のままで長いことじらされました。そのうち、水が深くなっているところにのそのそと2、3歩歩き出し、そこで水浴びを始めました。
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手持ちカメラで撮ったので、ゆらゆらですが、この臨場感は伝わるでしょうか。

不思議なことに、その間だれも近くを通らなかったので、静かにオオタカとの時間を楽しめました。動画を見ていただければ、水音が聞こえるのでいかに近かったがわかると思います。
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何度も何度も繰り返しバシャバシャと水を浴び、最後は納得いったのか、近くの低木にとまり、少し身支度を整えていました。いつもキリリとしたオオタカですが、水浴びしたあとのボサボサがかわいかったなぁ。そのあとすぐ、高い木の上に飛んでいき、じっくり羽繕いしていました。
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こういうシーンを写真で見た事はありましたが、一生に一度ぐらいはそんな様子見てみたいな〜と思っていたのが、まさかまったく予想だにしない場所でふいに始まるとは、、、本当におどろいちゃいました。しかものんきに「誰か水浴びでもしにくればいいのにね〜」なんて言って、エナガとかカラ類あたりが来たらいいな〜と思っていたところに、まさかのオオタカ。すごいことは起きるんだな〜と。

天気も良かったのに、周りも静かで、私の好きな最高のシチュエーションで出会う事ができました。こういうシーンに出会うたびに感動できる自分って幸せだな〜と再確認する出来事だったので、あれはきっとクリスマスプレゼントだったにちがいない。

天売島の海鳥たちに会いにいってきました

昔から名前は知っていたけど、まさか自分が行けると思っていなかったあこがれの島、天売島についに行ってきました。

目的はもちろん普段あまり見る機会のない海鳥です。去年葛西臨海水族館での講演会で聞いて天売島の現在の様子など詳しく知り、ごく最近行った友人が「鳥好きなら一生に一度は見ておいた方がよい」という強いひとことに後押しされ急遽決意したという感じです。

かなり窮屈なスケジュールで、思いがけずいきなり大雨に陸路を絶たれたりと、たどり着くまでにはかなり苦労しましたが、島に滞在中はずっとお天気もよく、猛暑の東京と違って涼しく快適にすごせたのが嬉しかった〜。

とはいえ、今回の大きな目的は日本では局所的にしか見られない3種の海鳥をじっくり観察することです

まずはなんといってもオロロン鳥といわれるウミガラス。ウミガラスは天売島と、天売島を有する羽幌町のシンボルにもなっている鳥で、マンホールから町の看板まで、あらゆる場所にウミガラスが描かれています。もうこの時点で、鳥好きとしては鳥推しの状況そのものにテンションが上がります。

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現在ウミガラスは日本で唯一天売島だけで繁殖しているので、それは当然強くアピールされるはず。とはいえ、すでに数が少なくなりヒナが巣立たない年もあったよう。でも現在はデコイや声を流すなどして、営巣誘致の活動が行われており、その甲斐あって、飛来数も増加し、繁殖が成功するようになり、巣立ちヒナの数も徐々に増えているそうです。といっても、昨年巣立ったヒナは17羽だったとのこと。営巣場所の崖では、デコイが設置され、オロロン鳥の由来にもなっている鳴き声が大きくスピーカーで流されています。これからも少しづつ増えていくといいですね。
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そんな貴重な鳥を、実際にデコイの間に見え隠れしていたり、海に浮いている自然の姿で観察できて、本当に感激しました。つや消しの黒をまとった、気品のある美しい鳥でした。

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次はウトウです。こちらは白いヒゲと白い眉毛があったりして一見おじさんっぽく、くちばしにへんな突起もあって恐竜っぽくもある、他には似たものがいない不思議な海鳥です。世界的に見ても天売島はウトウの最大の繁殖地だそうです。世界最大ってすごいですよね。今年は約80万羽のウトウが島で子育てをしているそうです。80万ってどうでしょう、この数字。まったく想像つかない数です。ウトウは地面に深い巣穴を掘り、そこで卵を産み、子育てします。ヒナは昼間はその中でじっとしています。穴はいたるところに所狭しとあいていて、親たちはよくここから自分の巣穴を探すなぁと不思議に思うぐらいです。親鳥は昼間、海で魚を捕り、日が暮れると、口いっぱいに魚をくわえてヒナの待つ巣穴に帰ってきます。数十万羽が一斉に巣穴のある場所に飛び込んでくるので、その光景がとにかくすごいのです。間近で聞く彼らの羽音、ウーウーと低く鳴く声、オオイタドリの間をかき分けるガサガサ音、飛び込んでくるときのドサドサッという騒がしさ、営巣地ならではのにおい、空気感、すべて初体験でもう圧倒されました。

日が暮れると無数のウトウが巣めがけて飛び降りてきます。

前のめりになって一生懸命歩いている可愛らしい様子は一生忘れられません。とにかく飛び降りたり飛び立ったりは苦手な海鳥なので、降りる時はあちこちぶつかってしまうので(もちろん人が立ってるだけでも危ない)人や車もかなり注意しなければなりません。繁殖期の間は夜になると道路にもウトウがいっぱいになってしまうので、夜の観察は時間が決められていて、それ以降は人は立ち入らないように、などきちんとしたルールが設けられている点や、ガイドツアーに参加できるため、逆に安心して観察できました。


船や陸からもウトウが観察できました。あの無数の穴のどれかから巣立ったばかりと思われる幼鳥がプカプカ浮いていました。くちばしの突起も眉毛もヒゲもないです。水中に頭を突っ込んで海中を見ていたり、潜ったりして食べ物を探していました。えらいね〜。こちらをチラチラみながら離れていきました。
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そして最後は愛の鳥ケイマフリ。私も昔から図鑑を見て憧れていた鳥です。名前にも惹かれますし、そのかわいらしくて不思議で、個人的には姿形がアイヌの民族模様風(配色といい、顔の勾玉模様といい)なところも好きです。
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群れで海に浮かんでいる様子、オスとメスが仲睦まじくしている様子、名前の由来ともなっている真っ赤な足が岩場に上陸している時に見えていたり、極め付けはその声、ピピピピーと海鳥とは思えない可愛く繊細な声が静かな海辺に響いていてうっとりします。とにかく会えてよかったし、今思い出してもぐっときます。
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みんなで休んでいるところ。こういうのを見ると本当に来てよかったなと思います。180720天売島10

他にもウミネコやヒメウも繁殖していて、とにかく島は鳥で賑わっていました。
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鳥たちは道路に溢れ夜間は通行できないなど、島に住んでいる人々もこの時期は鳥たちに譲る気持ちで生活されている様子。

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私の印象に残ったのは、鳥たちと漁師さんとの関係です。何十万羽という鳥が来て沿岸海域でたくさんの糞をして、それが養分となり海草を育て、その海草を島の主要な海産物であるウニが食べ育つので、漁師さんたちにとっても鳥が来てくれることがよいことなのだ、という話です。

海鳥たち、美味しいウニをありがとう!180720天売島13
珍しい鳥がいるともちろん観光資源になるだろうなぐらいは漠然と考えていましたが、でもそれ以外にも人にとって海鳥たちがもたらしてくれるものがあると、そんな風に理解しながら毎日鳥は魚をとり、漁師はウニをとり、とお互い環境し合わない距離感が素敵だなとおもいました。もちろん、こうした関係が成り立つまでには紆余曲折あっただろうし、多くの方の努力と理解があったのだと思いますが、とにかくそんな話を聞くとちょっぴり目頭が熱くなります。海鳥たちの保護活動についてはここでは詳しく書きませんが、他にも猫対策や天敵対策などにも取り組んでおられる多くの方がいて、そうした努力が絶滅危惧種であるオロロン鳥が帰ってきていることにもつながっているのだと実感できました。
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美しくて珍しい、普段会うことのできない鳥たちと間近に会える夢のような時間でした。約百万羽の鳥と約300人が狭い周囲約12kmの島に共存するというのがどういうことなのか、離島での人と生きものの関係についてまたいろいろ考えさせられたよい旅になりました。

願わくば、この感動が薄れないうちに作品として残しておきたいものですが、ここ数ヶ月は難しいかな。でも彼らの姿が記憶の中に深く刻まれたので、いつか海鳥シリーズとしてお見せできる時がくるのをお楽しみに。

新年、鳥はじめ

みなさま、新年あけましておめでとうございます。

160103鳥3(元旦にクイナにご挨拶)

おかげさまで、昨年は展示デビューできまして、多くの皆様に作った鳥たちを見ていただくことができました。今年は2月の個展をはじめ、より多くの方に見ていただける機会も増やしていけたらと思っています。

作ってみたい鳥や生き物がいつも多すぎて頭から溢れ出しそうですが、どんどん手を動かしどんどん形にして、今年はもっともっとたくさんの作品が作れればいいなと思っています。


年末年始は意図せず鳥見三昧になりまして、またまた嬉しい出会いがたくさんありました。
こうしたわくわくがまた今年も作る力になってくれるでしょう。

160103鳥1(なんかめでたいオナガてんこ盛り)

そんな純粋な感動をいつも与えてくれる鳥たちや自然に感謝しつつ、
地球上の生き物すべてにとって平和な2016年になることを心から祈ります。

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(水面に映る姿も美しいタシギさん)

本年もどうぞ「つぐみとキノコ」やフェルトの鳥たちをよろしくおねがいします。

今年もまたキノコのトリコ

先日今季二度目の富士山に行ってきました。富士山中腹もいつのまにかキノコの季節。
五合目から三合目の間のルートはキノコとコケのファンタジーな世界になっておりました。
鳥については後ほど、ひとまず出会ったキノコたちのまとめ。

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人けもなく静か(鳥の声もしないけど。。。)
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どこもコケでフカフカ
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重いスコープ担いで山道を歩くだけでも大変なのに、そこここに妖精たちが顔を出しているので、いちいち止まってスコープおろしてスマホでしゃがんで接写する。

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そしてなかなか進めない。普通に歩くのの3倍疲れた〜。

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でも、こんなきれいなもの、無視して進めない〜
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パンみたい。
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大物も多い。
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今回は初めてヘラタケ(たぶん)に会ったのがハイライトかな。
150820キノコ1

いつまでたっても名前わかるほど詳しくはなれないけど、毎年キノコの美しさにはうっとりするのです。


暑い夏のミラクルな一日

東京も長雨が止んだと思った途端猛烈な暑さで、一層外に出かけるのが億劫になってきた中、晴れ間を無駄にすまいと、先日山の方まで出かけてきました。そんな日でも鳥はいなくとも、虫やキノコなら楽しめるはずなので。

その日すでに時間もお昼近く、気温も高くあまり鳥の声すらしません。やっぱりなぁという感じで歩き始めてすぐ、夫が「アオバズクだ!」と叫びました。あまりに突然で「何?アオバトのこと?」と見上げる先を探したところ、なんと本当にアオバズクがちょこんと止まっていたのです。

150724アオバズク4

距離は多少あるものの、枝被りもなく、我々2人とアオバズクの間には何もない上に、人もいないので、まったくの2人と1羽の世界。アオバズクの方はその場を移動する気配はないものの、時々羽繕いをしたり、頭を掻いてみたり、目も大きく開けたり閉じたり、こちらは飽きずにいつまでも見ていられます。ある程度の距離はあるので、我々の存在も多少意識しているようだけど、緊張感はなく、こちらが汗だくなのはおかまいなしの涼しい顔でのんびり過ごしていました。

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とにかく観察しやすい所にとまってくれているので、こちらもなかなか去り難かったのですが、あまり長居もよくないかと、ひとまず先を急ぎました。

その日はその後結局、鳥に関しては、ホトトギスやイカルは鳴いていましたが、メジロやウグイスしか姿を見ることはできませんでした。でもタマムシやルリボシカミキリでひとまずテンション↑
150724アオバズク5
150724アオバズク6

そして数時間後の帰りにまた同じ所を通ったところ、アオバズクはまだ同じ場所にいてくれました。とにかく場所が良くて、ちょっと下から見上げて見たり、横顔を見て見たりといろんな方向から見ることができました。見る方向によって目の表情が変わるのも、アオバズクの素敵なところ。こちらが下から見上げると、ちょっと睨まれて、狙われてる獲物の気持ちになれますし、目を大きく見開いたびっくり顔とか、目を閉じた時の土偶顔など、表情の豊かさを存分に楽しめました。

目を閉じるとまるで土偶(笑)
150724アオバズク3

そして最後にもうひとつミラクルが!!
アオバズクに後ろ髪を引かれつつ帰ろうと歩き始めてすぐ、長さ10cmちょっとぐらいの羽が落ちているのが目に止まりました。ボサボサになって、泥にまみれて決してフレッシュではないのですが、私は直感的に「フクロウの羽根だ!」と思いました。なんとアオバズクを見た帰りにフクロウの羽根を拾ってしまうという2度目の奇跡です。こんなことがあるんですね。

150724フクロウの羽1

家で洗って羽根図鑑などで確認しましたが、ビロード上の表面や鋸歯状の縁など、ほぼ間違いなくフクロウの羽根だと思います。いつか拾ってみたいと思っていたのにこんな日にそれが実現してしまうとは。なにかの啓示でしょうか?

150724フクロウの羽2

本当に素敵な一日で、その後しばらくその余韻を楽しみました。そこにいることがわかっている珍しい鳥を見に行くのも楽しいですが、やっぱり予期しない時に予期しない鳥を自分自身の目で見つけること以上に嬉しいことはないです。そんな理想的な出会いもそうそう体験できるものでもないので、本当に嬉しかったです。これだから鳥見はやめられません。

プロフィール

つぐみ

Author:つぐみ
羊毛ニードルフェルト作家。自然や野生の生き物をお手本にいろいろ作っています。
東京農工大学卒業後、出版社、国際自然保護NGOで働いた後、独学でニードルフェルトをはじめました。自分の家に野鳥が遊びに来たら楽しいだろうな〜という思いから、実物サイズの野鳥を作り始めました。

自然や鳥、野生の生き物たちからインスピレーションを受け、色々なものを作っていきたいと思います。

日本ワイルドライフアート協会会員
Facebookページ「つぐみ工房」https://www.facebook.com/toritokinoko

***
2016年2月17日〜22日にモノギャラリー(吉祥寺)で個展開催
2016年7月7日〜23日にnito cafe(吉祥寺)で個展開催
2016年11月20日、23日、26日、27日に東京港野鳥公園で作品展開催
2018年1月14日〜20日 第5回女視展(有楽町)参加
2018年11月11月〜12月2日 谷津干潟自然観察センター で作品展 など

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